ナイロンとポリエステルの違いを徹底解説!特徴や用途を比較して自分に合う素材を見つけよう2025年7月24日 公開

「ナイロンとポリエステル、どちらもよく聞く素材だけど、何が違うの?」そう思っている方もいるのではないでしょうか。洋服を買うとき、アウトドアグッズを選ぶとき、素材の違いが分かると、より自分に合ったものが選べるようになります。
この記事では、ナイロンとポリエステルの違いを徹底的に解説。ナイロンとポリエステルが持つ特徴、用途、メリット・デメリットを比較し、製品を選ぶ際のポイントもご紹介していきます。
ぜひ最後まで読んでアイテム選びに役立ててください。
ナイロン・ポリエステルとは?基本的な特徴
ナイロンとポリエステルは、私たちの衣料品やバッグ、アウトドア用品など身の回りの多くの製品に使用されている石油を原料とする「化学繊維」の素材です。
ナイロンとポリエステルがどのような素材なのか、基本的な特徴について解説していきます。
【ナイロン】しなやかで摩擦に強い素材

ナイロンは、1935年にアメリカのデュポン社で開発され、1938年に世界で初めて工業生産された合成繊維です。石油などを原料とするポリアミド樹脂から作られており、その画期的な特性によって瞬く間に普及しました。
ナイロンの大きな特徴のひとつは「しなやかさ」。柔らかく滑らかな手触りを持ち、肌触りが良く適度な伸縮性があるため、体の動きに馴染み、快適な着用ができます。
もうひとつの重要な特徴は、「摩擦に強い」ことです。非常に丈夫な素材で、擦り切れにくく高い耐久性を持ちます。引張強度や耐摩耗性に優れており、ハードな使用にも耐えることが可能です。その他、燃えにくいという特徴も。
ナイロンはポリエステルと比べると速乾性はやや低く、型崩れがしやすいですが、しなやかさや摩耗に強いという優れた特性から多岐にわたる分野で活用されています。ストッキングやアウトドアウェアなどの衣類、バッグや傘などの日用品、耐久性が求められるロープやタイヤコードなど私たちの生活のさまざまな場面でその機能を発揮しているのです。
【ポリエステル】型崩れしにくく速乾性に優れた素材

ポリエステルは、石油などを原料とする合成繊維の一種で、ナイロンと並んで広く普及しています。その最大の魅力は、優れた機能性と耐久性です。
ポリエステルの大きな特徴は「型崩れのしにくさ」。繊維自体に強いコシがあるため、洗濯を繰り返しても形状が崩れにくいのが特徴です。シワにもなりにくいのでアイロンがけの手間が省け、日常使いの衣類などに適しています。
もうひとつの重要な特徴は「速乾性に優れている」こと。これは、ポリエステル繊維がほとんど水分を吸収しない疎水性を持つため、汗をかいたり雨に濡れたりしてもすぐに乾き、常にサラッとした肌触りを保つことが可能です。引張強度や耐摩耗性に関してはナイロンと比較するとやや劣りますが十分に高い耐久性があります。
ポリエステルはナイロンと比べると伸縮性が低く、燃えやすいですが、安価で生産が可能なため、多くの製品に使用されています。激しい動きや洗濯を頻繁におこなうスポーツウェアや、吸汗速乾性が求められる肌着などが代表例です。型崩れしにくくお手入れが簡単なことから、カーテンや寝具などに使用されることもあります。
【目的・用途別】ナイロンとポリエステルどっちを選ぶべき?
しなやかで摩擦に強いナイロンと、型崩れしにくく速乾性に優れたポリエステル。それぞれの特性を理解すると、「では、自分が使いたい製品にはどちらが向いているのだろう?」という疑問が生まれるかもしれません。
同じバッグやウェアであっても、素材によって得意なことや使い勝手は大きく異なり、どのような目的で、どんなシーンでアイテムを使いたいのかによって最適な素材は変わってきます。
ここでは具体的な製品カテゴリを例に挙げながら、ナイロンとポリエステルのどちらを選ぶべきか、それぞれの素材がどのような用途に適しているのかを詳しく解説。アイテム選びの参考にしてくださいね。
普段使いのバッグ|エコバッグや通勤バッグで選ぶなら?

日常生活で欠かせないバッグにも、ナイロンとポリエステルは多く使われていますが、エコバッグや通勤バッグなど、求められる機能によって適した素材は異なります。
エコバッグは携帯することが多いため、軽量性やコンパクトさが求められるアイテム。ナイロン製はしなやかで薄手のものが多く、折りたたみやすく持ち運びに便利です。また、摩擦に強い性質もあるため、日々の買い物に使うエコバッグにおすすめの素材といえるでしょう。
通勤バッグは中に入れるものを保護するための型崩れのしにくさや、雨の日にも安心な耐水性、毎日の使用に耐える丈夫さがポイントになります。
ポリエステル製の通勤バッグはハリがあり型崩れしにくいため、PCや書類をきれいに持ち運びたい場合に最適。また、耐水性や耐久性にも優れており、タフに使いたいシーンで活躍します。
一方でナイロン製の通勤バッグは軽量であることが多く、しなやかな質感も魅力です。どちらの素材も耐久性がありますが、重視する機能や質感で選ぶと良いでしょう。
アウトドア用品|テントやバックパックに適した素材は?

アウトドアで使用するテントやバックパックには、自然環境に耐えうる機能性が求められます。
軽量性を重視する登山用テントなどでは、一般的にポリエステルよりも軽いナイロンが選ばれることがほとんど。また、ナイロンは引張強度や耐久性にも優れているため、風雨にさらされる環境にも最適です。
バックパックでは摩耗や引き裂きに対する耐久性、そして防水性が重要なポイント。ナイロンとポリエステル、どちらの素材もアウトドアでの使用に耐えうる強度を持っていますが、とくにポリエステルは製造コストを抑えやすく、多くの製品で採用されています。
ただし、バックパックの構造によっては、本体にポリエステルを使用しつつ、より強度や軽量性が求められる部分にナイロンが使われるなど、製品やパーツによって素材が使い分けられているケースも。最終的にどちらの素材を選ぶかは、登山、キャンプなど、どのようなアクティビティで使用するかや軽量性を最優先するか、価格や耐久性を重視するかといった、求める性能によって自分に合った素材を選ぶとよいでしょう。
スポーツウェア|ランニングやサイクリングにはどっち?

スポーツウェアにおいて、ポリエステルは速乾性に、ナイロンは耐久性に強みがあり、行うスポーツの種類や強度、天候など、着用シーンで最適な素材を決めるのがおすすめです。
例えば、ランニングウェアの多くにポリエステル素材が採用されているのは、汗をかいても素早く吸収し乾燥させる、優れた吸汗速乾性を持つためです。軽量でシワになりにくく、長時間の着用でも快適性を保ちやすい点もメリット。特に夏場など大量に汗をかくシーンでは、ポリエステル100%のウェアがおすすめです。
一方、サイクリングウェアでは、ランニングとは異なる機能性が求められます。長時間のライドでは自転車のパーツとウェアとの摩擦が生じやすいため、耐摩耗性が重要なポイント。また、体にフィットし動きやすいよう、高い伸縮性も必要です。
このため、サイクリングウェアにはナイロンやポリエステルとポリウレタンなどのストレッチ繊維を混紡した素材が広く使われています。特に摩擦が生じやすいボトムスや、急な雨に備えたサイクリング用のアウターにはナイロンが適しているといえます。
このように、スポーツによって重要視される機能は異なるため、それぞれのスポーツに合った素材のウェアを選ぶとよいでしょう。
ナイロン・ポリエステル製品を長く使うためのお手入れ方法
お気に入りのアイテムをより長く大切に使うためには、適切なお手入れが欠かせません。
しかし、ナイロンとポリエステルでそれぞれの素材が持つ特性が異なるため、同じように洗ったり保管したりすると製品を傷めてしまう可能性があります。
日々の洗濯方法から、製品の寿命を延ばすための保管方法まで、長く愛用するための素材に合わせた正しいお手入れ方法について詳しく解説しますので参考にしてください。
ナイロン素材の洗濯・保管で気をつけること

ナイロン素材の製品を長くきれいに使うためには製品についている洗濯表示を確認し、表示に従うことが基本です。
洗濯機を使う場合は、型崩れや生地の傷みを防ぐために、必ず洗濯ネットに入れましょう。「おしゃれ着コース」のような弱水流を選び、水温は40℃以下のぬるま湯か水で洗うことが推奨されます。ナイロンは熱に弱い性質があるため、高温での洗濯や乾燥には注意が必要です。
洗剤を選ぶ際には、素材に優しい中性洗剤を使うのが適しています。洗浄力の強い弱アルカリ性の洗剤も使えますが、混紡素材の場合は中性洗剤の方が安心です。漂白剤や蛍光増白剤を含む洗剤は色落ちや生地を傷める原因となる可能性があるため、使用を避けてください。
洗濯後の乾燥には乾燥機の使用は控えましょう。
ナイロンは熱に弱いため、乾燥機の熱によって変形したり、場合によっては溶けたりするリスクがあります。直射日光も黄ばみや変色の原因になるため、風通しの良い日陰で干すのがおすすめです。
保管する際は、湿気を避けることが大切。長期間折り畳んだままにしておくと、シワになりやすくなったり、折り目が劣化の原因になったりすることがあります。
可能なアイテムはハンガーにかけて保管するか、難しい場合は緩めに畳んで収納することで、きれいな状態を保ちやすくなりますよ。
ポリエステル素材の洗濯・保管で気をつけること

ポリエステル素材の製品もナイロン製品同様、洗濯する前には必ず製品についている洗濯表示を確認しましょう。
洗濯機で洗う際は、生地の傷みや型崩れを防ぐために洗濯ネットの使用をおすすめします。水温はぬるま湯か水で、洗剤は中性洗剤が適していますが、汗や皮脂汚れが気になる場合は弱アルカリ性洗剤も使用可能です。ただし、漂白剤や蛍光増白剤は色落ちの原因となる可能性があるため避けてください。
熱に弱いため、乾燥機の使用は控えましょう。高温によって縮んだり、変形することがあります。また、紫外線による光脱色や変色を防ぐため、直射日光を避け、風通しの良い場所での陰干しが最適です。
ポリエステルは比較的シワになりにくい素材ですが、畳んで収納する際は強く折り畳みすぎないようにすると良いでしょう。
静電気を帯びやすい性質もあるため、柔軟剤を使用したり他の衣類との摩擦を減らしたりする工夫も有効です。
色移りを避けるため、色の濃いものと一緒に保管しないように注意しましょう。
まとめ
身近な化学繊維であるナイロンとポリエステルの違いについて詳しく解説しました。
どちらも私たちの生活に欠かせない素材ですが、それぞれに異なる特性を持っていることをご理解いただけたかと思います。
改めて主な違いを整理すると、ナイロンは「しなやかさ」と「摩擦への強さ」が大きな特徴です。こうした特性から、ナイロンは耐久性が求められるアウトドアウェア、バッグ、ストッキングなど幅広い用途で活躍します。スポーツやカジュアル向けのウェアにも多く用いられています。
一方、ポリエステルは「型崩れのしにくさ」と「速乾性」が特徴です。洗濯が容易で速乾性を活かしたスポーツウェアや肌着、型崩れしにくさを活かした通勤バッグ、さらにはカーテンや寝具など日常使いのアイテムに広く適しています。比較的安価に生産できることも特徴の一つです。
ナイロンとポリエステルのそれぞれの特徴を知ることで自分に合う素材を見つけることができます。ぜひ、この記事の内容を参考に、素材の特性を活かした賢いアイテム選びを実践してみてください。
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2025年7月24日 公開 2025年7月24日更新
