カバンの「マチ」とは?意味や種類、失敗しない選び方2025年11月18日 公開

カバンを選ぶ際、「マチ」という言葉を耳にする機会は多いのではないでしょうか。「マチ」とは、カバンの底や側面にある奥行きのこと。このマチの幅や形状によって、収納力や使い勝手が大きく変わってくるため意外と重要なポイントなのです。
この記事ではカバンのマチの種類や特徴、そして用途に合わせた選び方について解説します。「マチ」があることで得られるメリットやデメリットを知り、日々の生活に最適なカバンを見つけましょう。
カバンの「マチ」とは?厚み・奥行きのこと
カバンの「マチ」とは、具体的にはカバンの側面や底面にある「厚み」や「奥行き」を指します。これは、カバンの表側である「前胴(ぜんどう)」と、裏側である「背胴(はいどう)」の二つの面をつなぐ、重要なパーツです。マチがあることで、カバンは平面的な袋ではなく、立体的な形状を保てるようになります。
カバンの収納力を決める重要なパーツ
カバンの収納力は、縦横サイズだけでなく、マチの有無やマチの幅によって大きく左右されます。たとえば、A4サイズの書類が入るカバンでも、マチがなければ薄いファイルしか収納できません。しかし、十分なマチ幅があれば、厚みのある荷物も無理なく収めることが可能です。
日常的に持ち運ぶことが多い、お弁当箱や500ml〜800ml程度のタンブラー・水筒などの荷物もマチがあるカバンであれば、安定してスマートに収納でき、他の荷物と一緒に無理なく持ち運ぶことができるでしょう。
カバンを選ぶ際は収納したい荷物の「厚み」を具体的にイメージし、それに合ったマチ幅を選ぶことが、失敗しないための重要なポイントとなります。
サイズ表記での「マチ幅」の確認方法

カバンのサイズは、「W(幅)×H(高さ)×D(奥行き)」のアルファベット表記で示されるのが一般的です。このうち、マチ幅に該当するのは「D(Depth:奥行き)」の部分になります。また、日本語では、「横×縦×マチ」や「幅×高さ×奥行き」と表記されるケースも多く見られます。
| W(Width):カバン本体の「幅(横)」を表します。最も広い部分の横幅を指します。 H(Height):カバン本体の「高さ(縦)」を表します。通常、底部から開口部までの長さを指します。 D(Depth):カバン本体の「奥行き(厚み)」、「マチ幅」を示します。底面や側面の厚みを指し、収納力に直結する重要な数値です。 |
奥行きを表す「D」がマチ幅を示すと覚えておくと、カバン選びの際に役立つでしょう。
知っておきたいカバンのマチの種類とそれぞれの特徴
カバンの収納力や見た目の印象を大きく左右する「マチ」には、いくつかの種類があります。それぞれの構造や特性を理解すると用途に合ったカバンを選ぶうえで役立つでしょう。
以下のカバンのマチの種類とその特徴について詳しく解説します。
・通しマチ
・別マチ
・横マチ
・三角マチ
・【番外編】マチなし(フラットタイプ)との違い
通しマチ

通しマチとは、カバンの前面(前胴)、背面(背胴)を切れ目のない一枚の帯状のパーツでつなぎ合わせた構造を指します。
この構造は、底面と側面が一体となっている点が最大の特徴です。一枚の生地で構成されるため、縫い合わせ部分が少なく、非常に優れた丈夫さを実現しています。重い荷物を収納した際にも負荷が分散されやすく、型崩れしにくいという大きな利点があり、高い耐久性を持つため、長期間にわたり愛用できる点も魅力です。
耐久性とフォーマルな見た目から、通しマチは革製ハンドバッグに多く採用されています。
見た目としては、底面と側面が一体となっているため、全体的にすっきりとした印象です。
別マチ

別マチは、カバンの前面(前胴)、背面(背胴)とは独立したマチ部分のパーツを作成し、それらを本体に縫い合わせる製法で作られます。
通しマチのように側面と底面が一枚の生地でつながっているわけではありません。
トートバッグやショルダーバッグをはじめ、非常に幅広い種類のカバンで採用されており、最も一般的なマチのタイプのひとつといえます。
底部分がしっかりと固定されるため、重さのあるものを収納しても安定感があり、カバンが自立しやすいのが特徴。通しマチと比較すると、縫い合わせ部分の角に力が集中しやすい傾向はありますが、日常的な使用においては十分な強度を持つ構造です。
横マチ

横マチとは、カバンの本体側面から底にかけて一体的に設けられるマチの構造を指します。
横マチの大きな特徴は柔軟性です。多くの製品ではマチ部分を内側に折りたたんで収納できるため、荷物が少ないときにはカバン全体を薄くコンパクトにすることができます。一方で、荷物が多い際にはマチが広がることで、十分な収納力を確保できる利点も。
マルシェバッグや、レジ袋型のバッグなどカジュアルなトートバッグやエコバッグに多く採用されています。
三角マチ

側面にマチが無くコンパクトにたためる三角マチは、底部分の角を三角形になるように折って縫った構造です。名前の通り、側面から三角形部分が見えるのが特徴。
三角マチの最大の特徴は、カバンを開けた際に大きく口が開き、中身が見やすく取り出しやすくなる点です。
デザイン面では、実用性とデザイン性を兼ね備えており、特にトートバッグに多く採用されています。
【番外編】マチなし(フラットタイプ)との違い

カバンには、厚みがほとんどなく平面的な構造の「マチなし(フラットタイプ)」もあります。マチなし(フラットタイプ)とは、前面(前胴)、背面(背胴)の間に奥行きを設けるマチが基本的にないか、ごくわずかなカバンのことです。代表的なものとしては、サコッシュやクラッチバッグなどが挙げられます。
マチなしカバンのメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
・薄くかさばりにくいため、スマートな印象
・身体にフィットしやすく、必要最低限の荷物で身軽に出かけたい場面に適している
・バッグインバッグとしても活躍し、メインのカバンの中を整理する用途にも便利
【デメリット】
・収納力が低い
マチなしカバンはスマートフォン、財布、鍵などの貴重品や薄い書類など、最低限の荷物を持ち歩く際に適しています。マチ付きカバンと使い分けることで、それぞれの利点を最大限に活かすことができるでしょう。
マチ付きカバンを選ぶメリットと注意点
「マチ付きカバン」は、日々の生活やビジネスシーンにおいて、機能性の高さから多くの人に選ばれています。しかし、マチがあることで得られるメリットがある一方で、使い方によっては注意すべき点も。
マチ付きカバンの主なメリットと注意点を詳しく解説します。メリットと注意点を事前に理解することで、用途やライフスタイルに最適なカバンを見つけやすくなるでしょう。
メリット①:厚みのある荷物もすっきり収納できる

マチ付きカバンを選ぶ最大のメリットは、収納力です。カバンに十分な奥行きがあることで、見た目以上に多くの荷物を収納できます。
たとえば、水筒やお弁当、カメラなど厚みのあるかさばるアイテムも、カバンの形状を崩すことなくすっきりと収められるでしょう。
マチがないフラットなカバンでは、厚みのある荷物を収納するとカバンが不格好に膨らみ、他の荷物を入れにくくなるといった欠点があります。一方、マチ付きカバンは底があるため、荷物を整理しやすく、内部で物が散乱するのを防げるという利点が。特に、仕切りやポケット付きのタイプであれば、大きめのバッグで「中身がごちゃつく」という悩みを解消でき、よりスマートに持ち運べます。
メリット②:置いたときに自立しやすい

マチ付きカバンには、置いた際に安定して自立しやすいという利点があります。マチがあることで、カバンの底面に十分な奥行きと安定性が確保され、重心がしっかりして、不意に倒れる心配が大幅に減少するのです。
特に、ビジネスシーンでの会議中やカフェでの打ち合わせ時など、カバンをスマートに足元に置きたい場面は数多く存在します。自立するカバンであれば、場所を取らずきちんと収まり、見た目にも整った印象を与えることができるでしょう。フォーマルな場では、カバンが自立するかどうかが、持ち主の第一印象を左右する重要なポイントになることも少なくありません。
注意点:荷物が少ないとかさばることも
マチ付きカバンは収納力に優れている一方で、荷物が少ない場合にはマチ部分が余ってしまい、カバン全体の形が崩れて不格好に見えてしまうことがあります。
特に、通しマチのようにしっかりとした構造や硬い素材でできたカバンでは、中身が少なくてもカバン自体の厚みは変わらないため、かさばり感がより強調されやすくなることも。
荷物の量に合わせてマチ付きかマチなし(フラットタイプ)を使い分けするのがよいでしょう。
【用途・シーン別】最適なマチ幅の選び方ガイド
実際にカバンを選ぶ際にどのようにマチ幅を考慮すべきか、ビジネスユース、普段使い、1泊程度の小旅行といった具体的な用途別に最適な選び方をご紹介します。
このガイドを参考にすることで、購入後に「思ったより荷物が入らない」「荷物が少ないのにカバンが大きすぎた」といった失敗を避け、ぴったりのカバンを見つけられるでしょう。ぜひ、カバン選びの参考にしてください。
ビジネスユース|PCや書類が入る10cm~15cmが目安

ビジネスシーンでは、日々多くの必需品を持ち運ぶことが一般的です。たとえば、以下のようなものを普段から持ち運ぶ人は多いのではないでしょうか。
・ノートPC
・A4ファイル
・手帳
・ペットボトル
・折りたたみ傘
一般的に、ビジネス用途では10cmから15cm程度のマチ幅が目安と考えましょう。
10cm前後の薄マチビジネスバッグは、洗練されたスマートな印象を与えます。主にA4サイズの書類や薄型ノートPC、手帳などをすっきりと持ち運びたい場合に最適です。マチ幅が10cmあれば、13インチのPCやペットボトルも収納できるバッグが多く見られます。
一方、15cm程度のマチ幅があれば、厚みのある資料、お弁当箱なども無理なく収納でき、より多くの荷物に対応可能。荷物が多い日や1泊程度の短期出張にも対応できますよ。
普段使い|財布やスマホ+αが入る5cm~10cmが便利

買い物やカフェへのお出かけなど、普段の外出時に持ち歩く荷物は、財布、スマートフォン、鍵、ハンカチ、エコバッグといった必需品が中心です。これらのアイテムをコンパクトにまとめながら、少し荷物が増えても対応できるマチ幅としては、5cmから10cm程度が目安。
マチ幅5cm前後のカバンは、必要最低限の荷物をすっきりと収納するのに適しており、ミニマルで洗練された印象を与えてくれます。一方で、マチ幅が10cm程度あれば、500mlのペットボトルや手帳、化粧ポーチなども無理なく収納できるでしょう。
このマチ幅を持つカバンには、ショルダーバッグ、小さめのトートバッグ、ボディバッグなど多様な種類があるため、どんなファッションにも合わせることができますよ。
1泊程度の小旅行|着替えも入る15cm以上がおすすめ

1泊程度の小旅行では着替え一式、洗面用具、化粧ポーチといった必需品に加え、厚手の衣類やガイドブック、さらに旅先で増えるお土産なども考慮すると、荷物がかさばりがちです。
これらをスマートに収納し、旅先で困ることがないよう、マチ幅15cm以上のカバンを選ぶのがおすすめ。15cm以上のマチ幅があれば、一般的に20リットル以上の容量が確保できます。旅の出発時に荷物が少ないと感じても、帰りのお土産などを安心して収納できるでしょう。
まとめ
本記事では、カバンの「マチ」が単なる奥行きに留まらず、収納力や使い勝手を大きく左右する重要な要素であることを詳しく解説しました。
マチがもたらす主なメリットは以下の通りです。
・カバンに厚みや立体感を与えてくれる
・厚みのある荷物をすっきりと収納できる
・置いた際、安定して自立しやすい
カバンのサイズ表記では「D(奥行き)」と記され、収納力を測る重要なポイントとなっています。
カバンのマチには、耐久性が高い「通しマチ」、多様なデザインと汎用性が特徴の「別マチ」、コンパクトにたためる「横マチ」、側面から見える三角形がアクセントの「三角マチ」といった種類があり、それぞれ異なる特性を持つものです。
また、厚みがほとんどない「マチなし(フラットタイプ)」のカバンとの違いについても紹介し、薄型でスマートな持ち運びを求める場面での選択肢となることも説明しました。
見た目のデザインやブランドだけでなく、「マチ」という機能的な視点を取り入れてカバンを選ぶと、ライフスタイルや持ち運ぶ荷物に最適な使いやすい逸品を見つけられることでしょう。
2025年11月18日 公開 2025年11月18日更新




